信号変換と処理
用語の確認
- トランスデューサ:ある科学量を他の科学量に変換するデバイス
- センサ:出力を電気信号の形で与えるもの
e.g.)太陽電池は電力を取り出すために使われればトランスデューサであり、光を検出するために使われればセンサとなる。
光センサ
量子型光センサ
光を電子や正孔など電気を運ぶ粒子に直接変換するもの
真空管型
固体表面に当たった光子が物質と相互作用して、その表面から電子をたたき出す現象(外部光電効果)を利用したもの。
光電流は次の式で表される。
ただし、は高電子の放出効率を表すもので量子効率と呼ばれる。
に、を代入すると得られる。
光電子:飛び出してくる電子
光電面:光を受ける面
光電流:光照射によって取り出される電流
暗電流:光電面に光が入社しないときにも流れる微小出力電流。
光電面感度:波長の関数。感度の波長依存性を表す曲線を分光感度曲線とよぶ。
外部光電効果を利用する光センサは波長1μm以上に感度を持たせることが難しい。理由は以下の式。閾値とするとであるから
[nm]
光電管は本質的に感度が低いため、SN比の大きい増幅器が必要。それを実現するのが、光電子増倍管。2次電子による電子増倍の原理を利用している。光電管の陰極と陽極の間にダイノードとよばれる複数個の2次電子放出電極を持ち、加速された1次電子により叩き出された2次電子による、電子の逐次増倍を利用している。1次電子のエネルギーや入社角度に依存する。
堅ろうさに欠けるため小型化にも制約がある。
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個体型
固体素子に入射した光子が、その内部に電子や正孔などの電気担体(キャリア)を発生し、それが固体内部にたまって素子の電気的性質を変える現象(内部光電効果)が起こる。
光電動効果:素子の電気抵抗が変わる
光起電効果:素子に起電力が発生する
- 光電動センサ
半導体の小片や薄膜の両側に電極を付けて電圧を引火して起き、半導体に光が入射したときに起こる抵抗変化を電流の変化として取り出すもの。
真性半導体では禁制帯幅(バンドギャップ)、不純物半導体ではイオン化ポテンシャルが入社光子エネルギーに対する閾値に対応する。
常温の平均熱エネルギーは eVであるためバンドギャップやイオン化ポテンシャルが小さい材料では熱励起によるキャリアが生じ、暗電流が大きくなり、センサの役を果たさないことがある。
- 光起電センサ
半導体のp-n結合を用いるものが広く使われている。
光が当たるとp領域が正に、n領域が負に帯電するため起電力が生じ、出力ⓦお短絡すれば短絡光電流が流れる。
光起電センサは光伝導センサに比べて時間応答性がよい。
高感度化のために、接合部に高い逆バイアスを与え、電子雪崩効果を利用するアバランシェフォトダイオードが実用化されている。
熱型光センサ
光を放射率が1に近い黒tい物体に吸収させたときに、発生する熱を温度センサで検知するもの
原理的には一般の温度センサと全く同じであるが、その構造は極めて小型である上、熱の損失などを防ぐ細かい工夫がされている。
ボロメータ:光センサとしての抵抗温度計
サーモパイル:熱電対を多数直列接続して感度を高めたもの
焦電センサ(パイロセンサ):受光面の温度変化により分極の大きさが変化し、表面電荷の変化分を電気信号に変換する。
一般的に感度やSN比が低い上、時間応答性もよくない
イメージセンサ
平面上に展開される光強度情報としての画像を電気信号に変換するデバイス