2040年の宇宙産業における、人材と雇用の一致

今日はSDFのフォーラムに参加します。

岩本氏:「宇宙産業が広がっている。食、ヘルスケア、ロボティクスなど。分野が広がっていくにしたがって人材が必要(宇宙以外も含めて)。もうひとつはベンチャー企業でも十分なエンジニアがいないことが問題。宇宙業界内で人材を回していくことが重要。転職、出向、クロスアポイントメントなど。」

大川氏:「マクロでみるとマーケットに対して人が流れてくるような仕組みを整えないといけない。マーケットの魅力が高い必要がある。マーケットの魅力の一つとしてあるのは『他のマーケットよりも宇宙業界のほうが儲かる』ということ。IT業界が盛り上がったのはこれが理由。ITは参入が進み供給過多になり気味。そうするとローコストで人材を獲得するという流れになる。業界そのものの人材不足自体は儲かれば自然に流れてくる。」

大川氏:「仕事はフローで行っていく。ITだと一人一人が技術営業をまたがることが多くある。宇宙業界だとアジャイルな仕組みは求められているのでしょうか?」

中須賀氏:「ベンチャーはそうじゃないとダメ。企画はすごく大事。どういう付加価値をつけていくのか、どのように達成していくのかはどこにも答えがない。そういう意味ではとてもアジャイルな状態で動かないといけない。」

岩本氏:「フェーズによって必要な人員が変動していく。」

中須賀氏:「そういうのがしっかりしてなくても動き出せる人がベンチャー向いてる。」

岩本氏:「専門知識以上に大事なのは、経験。どのように問題に対応してきたかということ。」

中須賀氏:「技術に限って言うと、プロジェクト管理やシステム設計といった上層部の人が不足している。細かいところは他の業界の人でもできなくはない。宇宙非常に特有のものはシステム設計。これが非常に少ない。プロジェクトをどれだけ回したかということが非常に大切。」

大川氏:「とりあえず早めに壁にぶち当たってもらって解決していくという経験をどれだけ積んだかということがすごく大事。経験値の量が大事。」

中須賀氏:「日本とアメリカの違い:日本は失敗が責められる。アメリカはチャンスがあったのにやらなかったことを責められる。この風土は若いときの教育が大事。」

宇宙業界での副業兼業は?

岩本氏:「JAXAは兼業を推奨している。2年前から報告さえすれば兼業できるようになっている。技術が外部に流れるかどうかは職員のモラルにかかっている部分は多い。個人のノウハウは外部に出ても流動性が高まっていることだから。流出問題は修正していくことが大事。」

大川氏:「500人規模の会社になっていると、コアな人とそうでない人を分けて取り扱うようになった。本当に大事な人は本当に手厚く待遇する。いかに出さないかということを気を付けて考えている。暇を与えない、普段からコンタクトをとるということで」

岩本氏:「越境制度:別の企業に留学。JAXAは企業がどういう風に動いているかわからないから。」

中須賀氏:「世界の中で技術を使って顧客を囲ったり、政府のお金を取り付けたりすることが非常に大切。このような人材が求められている。技術は必要条件だけど十分条件ではない。」

中須賀氏:「一人で全部やる必要はない。むしろ必要な人材を集めてくるチーミングの力がとても大事。その意味ではアメリカの大学はすごい。」

大川氏:「一人で全部やるのは無理。チームを組んでいくのは非常に大切。やっぱり交渉のテーブルにつく回数が非常に大切。」

大川氏:「業界として新しいことに取り組んでいくというのは絶対必要。目的地として宇宙にホテルができました。となればより多くの人材がそこには必要になるよね。」

岩本氏:「ビジネスという観点では、人が行くということは非常に大きなチャンス。生活との関連も大きくなっていく。有人に入っていくことは非常に大事。」

中須賀氏:「今年はすごい勢いで進んでいる。大金持ちを目当てにしたビジネス。生きたい人がいる。ニーズがはっきりしている。日本での課題は法制度。人が死んだらどうするのか。どういう風に担保していくのかが大事。アメリカと日本では法制度が違う。人が乗った宇宙機の管制をどうしていくのかもまだ未解決問題。現在宇宙業界以外の企業の宇宙業界への参入が目立っている。市場へのスピンオフをターゲットにしている。これは日本の特徴なのでこれらをうまく生かしていくことが考えられる。」

大川氏:「一個人として宇宙業界に関わりたい理由は何か、自分が価値を本当に発揮できるのか、何を期待役割として持っているのかをはっきりさせることが外部の人が宇宙業界に入る上で重要。そもそもやめることを前提にして会社に入るべき。終わりをいつにしておくかというマイルールを持っておくことが重要。」

中須賀氏:「今データサイエンティストの取り合いが激しい。」

中須賀氏:「宇宙を始めたいという企業に伴奏していく宇宙専門の人材が非常に大切。お金余ってるけどどこに投資していいかわからないという相談もよく受ける。宇宙は投資熱が結構高い。企画だったり、それに技術的なバックグラウンドを持って夢をちゃんと出してあげるのが非常に大事。」

中須賀氏:「学生の間にするべきこと:将来戦える確固たる技術。仲間づくり。」

中須賀氏:「深宇宙探査の目的はまずはサイエンス。科学に貢献しているということをアピールするため。問題をそれを使ってビジネス。まずは月の資源開発。」

大川氏:「化ける人材は何かをやりたいという強いモチベがある!」

大川氏:「目の前のチャンスを素通りしている人のほうが多い。リソースになるためには、人よりも先に気づいて先行者メリットを得る。やりたいことがないんだったら目の前のもの全部やる!挑戦する権利を得られるかは自分自身の目の前の行動にかかっている。」

中須賀氏:「何か好きなものを若いうちに見つける!そのためにはいろいろなものに挑戦してみることが大事。」