宇宙通信の基礎知識
衛星通信の特徴
衛星通信のメリット
- 広域性(一台の人工衛星で地球の40%をカバー)
- 回線設定の柔軟性・同報性、広帯域性
- 信号品質の均一性
- 耐災害性
- 大容量
回線コストは距離に無関係なので、遠距離通信に向いています。
また、無線であるため、回線の設定や変更は比較的自由です。
1つの中継器で複数の地球局からの信号を中継することを、多元接続といいます。
多元接続の方法
- 時分割多元接続(TDMA)
- 周波数分割多元接続(FDMA)
- 符号分割多元接続(CDMA)
衛星通信のデメリット
- 通信時間が長い
- 伝送品質が降雨や水蒸気などに影響される
- 太陽雑音妨害に影響される
解決策
- 通信制御手順上での考慮
- 符号誤り訂正昨日の採用
- 回線マージンの設定
- システムのハードウェア構成上の配慮
周波数
宇宙通信の周波数は地上系と共用なので、WARCが国際間で周波数の分配方法などを協議しています。業務分野によって割り当て周波数が異なります。
バンドの種類は次の通りです。割り当て周波数帯はリターンリンクトフォワードリンクの組み合わせで表します。
- 1.6/1.5 GHz帯(Lバンド)
- 2.6/2.5 GHz帯(Sバンド)
- 6/4 GHz帯(Cバンド)
- 8/7 GHz帯(Xバンド)
- 14/11 GHz (Kuバンド)→同一周波数を使用する衛星システム間の干渉や、地上マイクロ波中継回線との干渉を避ける
- 30/20 GHz (Kaバンド)
- 32/33 GHz(ミリ波帯)
業務分野による違いは次の通りです。
- 固定衛星通信(地球上を動かないものと通信:275GHzが上限で、C、Ku、Kaバンドが使われている
- 移動衛星通信(地球上を動くものと通信):265GHzが上限で、L、S、C、X、Kaバンドなどの周波数帯が割り当てられる。
- 衛星放送:地域によって割り当てが違い、KuバンドやSバンドなど。
- 衛星間通信とは、低中高度を周回するユーザー衛星からのデータを地球局へ中継する通信システム。何で直接やり取りできないのかが分からないですね。S、Ku、Ka、ミリ波帯、光を用いたデータ中継方式が検討されているそうです。