物体を測る

距離を測る

光による測距

  • 三角測量:2か所から目標物を眺める
  • 光パルス伝播時間測定:光が物体で反射して返ってくるまでの時間を測る。光なのでただちに絶対距離が分かるが数mmの分解が実用限界。光が必ず戻ってくるように反射鏡を用いる。反射鏡を設置できないときは音波や電波が用いられるが指向性が鋭くないため、遠くの小目標物に信号を集中することが困難。
  • 強度変調光の位相測定:光パルスの代わりに光源の強度を正弦波で変調し、反射光の位相を求める。送信光と受信光の位相差から距離が分かる。移送情報を保存し、測定周波数を低減するためにヘテロダイン検出法が用いられる。10μmオーダーの計測が可能。
  • 光波干渉法:光の周波数は非常に大きいため現存の光センサでは波の位相を直接観測できない。そこで、目標物から返ってきた光を基準の光と重ね合わせて干渉させることによって、位相情報を光強度情報として取り出す。
カメラのオートフォーカス
  • 三角測量方式:赤外線ビーム項を被写体に投光し、返ってくる光を受光センサで受け取れる位置に動かすと撮影レンズも焦点が合うようになっている。
  • コントラスト検出方式:レンズを動かしながら画像のコントラストが最も高くなるレンズ位置を探す。時間がかかる。
  • 位相検出方式:光ビームを左右に分け、それぞれをCCDに結像する。ピントの具合によって左右のCCDの画像位置に差が生じるため、佐野台小からレンズの繰り出しを調整する。高級カメラで主流。
GPS

 発射電波には時刻をh知らせる情報が入っているので、それがどれだけ遅れて受診されるかを知れば光パルス伝播時間測定と同じ原理で受信位置から衛星までの距離が分かる。衛星の軌道は正確にわかっているため、3つの衛星まdねお距離が決まると三角錐の頂点にある受信位置が定まるが、実際には時刻補正のためにさらにもう1つの衛星電波を受信し、計4つ以上によって受信位置を100mの確度で求めている。
 カーナビはこれに加えて車輪回転数から走行距離を割り出して正確な位置を知る。

海底の地形測定

 瞬時パワーの大きな光パルス方式が採用されている。青緑色の方が透過しやすいため、それに合わせた光パルスを用いる。

飛行機からの水深測定

 水面で反射される光パルスと底面からの反射光の時間間隔を測定。飛行機の高度は測定に影響を及ぼさない。

水中測定

 超音波パルスも利用される。50~250kHzの音波を間欠的に発射する。魚群探知では200~300mの深さの魚群位置を数十cmの確度で、推進測定ではデータの平均をとることで1,000mの海底地形を数cmの角度で測ることができる。

レーザレーダ

 反射鏡を用いずに光ビームを直接対象物表面に照射する。→受信光強度が車種や障害物によって変動し、検知限界距離がばらつく。

動きや振動を測る

変位・角度を測る

ポテンショメータ

直動型→変位検出
回転型→角度検出
回転型だったら、円周上にまかれた抵抗体に一定の電圧をかけ、ブラシで摺動することによりその角度に対応した出力電圧を得る。
抵抗体の抵抗値に寄らない。
負荷効果は負k抵抗が抵抗体の抵抗値に比べて十分大きければ問題とならない。

差動変圧器(LVDT: Linear Variable Differential Transformer)

3つのコイルを使って、コアの変位に比例した電圧を出力することができる。
測定範囲は0.01mm ~ 100mm と広い。
μmオーダーの精密測定器として電気マイクロメータにも用いられている。

静電容量型センサ

極板の変位を容量の変化に変換する変位センサ

ロータリーエンコーダ

回転角度をディジタル量に変換するセンサ→ロボットの関節角度検出に多く使われている。回転盤上に切られたスリットを挟む発光ダイオードとフォトダイオードの組み合わせが基本構成で、回転盤が回転すると断続的にフォトダイオード発光ダイオードの光を検出することになり、矩形波信号を出力する。

  • インクリメンタルエンコーダ:矩形パルスの数をカウントすることにより回転角度を検出する。
  • アブソリュートエンコーダ:ビット数に対応する発光ダイオードとフォトダイオードを組み合わせによる2進コードの出力から回転角度を検出する。

速度・加速度を測る

空間フィルタ式速度センサ

レンズを通してくし形の受光素子で点光源を検出するとき、そのときの出力は形の周期はくし形の受光部の1ピッチ間を点光源の像が移動する時間に等しい。
出力は形の周波数から速度を求めることができる。(実際には点光源ではなく不規則なパターンが受光素子場を移動することになるが原理的には同じ)
→自動車の速度測定(エンジンの回転数、タイヤ径などに依存する速度測定よりも正確な測定が可能)
→土石流、河川などの流速測定

相関法による速度センサ

不規則な波形の移動時間を計算することにより速度を求める。離れた2点に光源と光センサの組み合わせを設置し、それぞれのセンサで反射むらを検出する。2つの信号の内積をとった相互相関関数が大きな値をとった=同じむらが検出された
→イメージセンサを用いた自動車の速度測定
→流体の速度揺らぎを検出する相関流量計

ドップラー速度計

運動物体に発信源からある周波数の電波や音波を送信し、運動物体から反射してくる信号を発信限で受信するとき、物体の速度が分かる。
→スピードガ

加速度センサ

箱の中の質量をバネとダンパを介して枠に取り付けた構造(サイズモ系)
計測系の入力は微分方程式ラプラス変換伝達関数(入力と出力の比)を得る
あまり理解していないからもう少し勉強します...

力、トルク、動力を測る

ひずみゲージ

導体や半導体がひずみを受けると抵抗が変化することを利用したセンサ

ロードセル

弾性体の表面にひずみゲージを接着し、弾性体に加わる力によるひずみを測定

圧電素子

水晶、チタン酸バリウム、ロシェル塩などの結晶体に、特定方向から力を加え変形させると、表面に電荷を発生する。(圧電効果・ピエゾ電気効果)

動力(仕事率)の測定
  • 吸収動力計:動力吸収部で回転機械の動力を吸収し、そのトルク反力を動力吸収部から伸びた腕に受けて台はかりで測定
  • 伝達動力計:原動機と作業機の間の伝達軸のねじれからトルクを測定する

流体を測る

流速を測る

ピトー管
熱線流速計

応答がよく動的な速度変動をとらえることができるため、乱流計測に多く用いられている。熱線の熱平衡を利用して流速を計測。流速が増加すると熱線の抵抗値は下がり、ブリッジが負平衡状態になるため、増幅器の出力電流が増加し、熱線の温度を元に戻すことによって熱線は一定温度に保持される。

レーザードップラー流速計

ピトー管や熱線流速計は流れの中にセンサを挿入して測定するため、流れを乱すことになるが、これは非接触で、応答性はよく、速度の絶対測定が可能などの特徴を持つ。非接触ではあるが、流れの中に微細なトレーサ粒子を混入する必要がある。微粒子にレーザー光を照射し、その微粒子からの散乱光はドップラー効果により周波数偏移を受ける。

流量を測る

差圧式流量計

管路内に絞りがあり、絞り前後の断面でベルヌーイの定理を適用する。静圧の差から流量が求められる。

面積式流量計

差圧を一定年、絞り面積の変化割合から流量を求める。流体がテーパ官とフロートの隙間を流れ、流量が増加するとフロートは上昇し、隙間の大きさを拡大する。テーパ管につけられたメモリから流量を読み取ることができる。

電磁流量計

磁場の中を導体が動くとその導体に起電力が発生するという電磁誘導の法則を利用している。磁場中にある管路の中を導電性流体が流れると、導体が動くのと同じと考えられるので電極間に起電力が生じる。

超音波流量計

音波が流体中を伝播するとき音速は流体の速度が合成された速度になることを利用した流量計

カルマン渦流量計

流れの中に円柱などの物体を置くと、物体の後方に規則的な渦列が形成される(カルマン渦)。その渦発生の周波数は一定の法則にしたがうため、渦周波数から流量が測定される。

容積式流量計

正確な計量が必要なガソリンの給油メータなどに用いられている。
ケーシングの中に1対のまゆ形回転子があり、流体が入るとその動圧の力でそれぞれ外側に回転する。その時、ケーシングと回転子の間に形成された一定容積の流体が排出され、回転子の回転数を数えれば積算流量が分かる。