姿勢制御系の実際
宇宙ステーションのリブーストには第一手段としてドッキング中の輸送宇宙機の主エンジンがあります。主エンジン用推薬に制限がある場合はロシアのサービスモジュールを用いたり、あるいは、ドッキング中の補給船に推薬を移し、そのランデブ・ドッキングスラスタを使用したりすることがあります。(宇宙ステーション本体で動いていると思っていました)
通常の人工衛星と宇宙ステーションでは姿勢制御方式が違うらしいです。
通常の人工衛星:局所垂直・局所水平(LVLH: Local Vertical/ Local Horisontal)姿勢および慣性姿勢が一般的
ISS:LVLHにトルク姿勢(TEA:Torque Equilibrium Attitude)と軌道面垂直X軸姿勢(XPOP: X-Axis Perpendicular to Orbit Plane)が加わる。
〇理由〇
TEA:
ISSがLVLH姿勢を撮り続けると、空気抵抗と重力傾度によるトルクが圧倒的に大きくしかも軌道1週の平均値が0にならないためにその補正に多大な推進薬を必要とするらしいです。そこで、すべてのトルクが軌道の全体にわたって、ほぼ0にバランスする姿勢が姿勢平均トルク姿勢(TEA)を採用することによって限られたリソースを有効活用しています。
不利な点としては、ISSが正確な姿勢をとらないことらしいですが、仕組みはよくわかりません。
XPOP:
太陽電池アレイから十分な電力を得られないときの最終手段的な姿勢なんだなと呼んでて思いました。この姿勢をとることによりY軸方向に1個のアレイのロータリージョイントを設置すれば太陽にアレイを向けることができるという利点があります。
しかし、ISSはもともとこの姿勢をとるように設計されていないため、熱制御システムに問題が発生することがあります。また、アンテナの視野妨害も常時生じることになります(これもその姿勢のために設計されていないから起こることでしょう)。また、GPSアンテナに対する衛星からの信号妨害も大きくなるそうです。
知らない単語リスト