宇宙システムの実際

今回はロケットシステム、人工衛星システム、有人宇宙飛行についてどのような分野があるのかをまとめていきます。

ロケットシステム

ロケット本体、打ち上げシステム、追跡管制システムの3つからなります。

打ち上げロケットには従来のロケットと比較して、大きなエネルギー、と多様なペイロードを運べる柔軟性が求められます。

軽量化のために多くの機能を地上に残しているため、地上のシステムは非常に大切です。たとえば、極低温推進薬は打ち上げ直前の限られた時間に入れるため、このための地上装置、設備はしっかりと計画しなければなりません。

また、宇宙環境、ペイロードの条件から時間的制約が課されます。それに合わせて打ち上げ作業を行っていく必要があります。

ロケットが打ちあがるとこれをモニタし、以上飛行を始めたら破壊できるようなっています。これを追跡管制システムといいます。

ロケットの飛行は長距離なので、海外との連携が必要になります。

 

打ち上げロケットの性能は次の要素で判断されます。

  • ペイロードの質量、容量
  • 軌道高度
  • 打ち上げコスト
  • 環境条件
  • ユーザー要求への対応のフレキシビリティ

 

人工衛星システム

ミッション系とバス系からなります。ミッション系はその人工衛星の目的とするミッション遂行のための機器です。(アンテナ、光学センサ等)

バス系は姿勢制御系、通信系、電源系などミッションに関係なく人工衛星として必要な機能です。

 

有人飛行

例えば、宇宙ステーションでは、無人探査に加えて、環境制御と有人サポート、搭乗員システム、自動制御・自律化・ロボットという機能が追加されます。

人間が滞在することによる新たな条件には次のようなものがあります。

  • モジュールの汚染に対する安全対策
  • 機密漏れに対する安全対策
  • 火災に対する安全対策
  • 緊急の場合の逃げ道
  • 宇宙機が正常な機能を失っても搭乗員をある期間生存させる対策(safe haven)
  • 圧力容器の安全対策
  • 自動化による搭乗員の負担軽減→事故防止

さらに長期間の有人飛行では次のようなことが要求されます。

  • ハードウェア、ソフトウェアの共通化
  • 部品交換レベルの共通化
  • 信頼性上昇と保全性設計(寿命を長くする、交換しやすくする)
  • 搭乗員と地上側の作業の適正配分

一つのミッションを達成するのにいかに多くのことを考えなくてはいけないかが分かりますね。