宇宙空間の安全保障
安全保障:(軍事はあくまで手段の一つ!)
- 国民の生命と財産の安全及び国家としての価値の保全を保証すること
宇宙安全保障:(宇宙空間の安全保障+宇宙空間を使った安全保障という二段)
経済安全保障:
- 輸出管理(例えば、技術や石油など)
「安全保障のための宇宙(Space for Security)」
- 戦場におけるConnectivity(兵器システムの接続性;C4ISRを担保する通信、測位、偵察、早期警戒能力)
- 安全保障戦略の従属変数としての宇宙(どのような戦力を求めているかによって宇宙が必要かが変わる。)
「宇宙空間の安全保障(Security for Space)」
- 地上の安全保障:他者を排除するというのが基本的な手段
- 宇宙空間の安全保障:ある空間から他者を排除することができない
- 抑止の原理が効かない:(懲罰的抑止:目には目を;お互いに痛い目に合う;例・核抑止、拒否的抑止:攻撃した場合でも期待した効果を生まない)
例えば北朝鮮がアメリカの衛星を壊しても、北朝鮮は衛星を持っていないからアメリカは北朝鮮に報復できない。→お互いに被害の状況が一致しない。そのためのルールを壊す、またはほかのところに報復する(衛星壊したら戦艦を壊す)ただし、相場が宇宙空間に存在していないから、衛星1機に釣り合うものがどんなものなのかが分からない。
「平時の宇宙空間のガバナンス」
- 非意図的なリスク(デブリ)
現状SSAを集めている宇宙軍の機関がアラートを出している
「意図的な攻撃によるリスク」
- しっぺ返しが嫌だなと思わせることが抑止であって、素晴らしい兵器を並べることが抑止ではない。
- 攻撃の意図が明確にできない(偶発的な衝突の可能性)
- 攻撃の実態を把握できない(衛星搭載カメラの限界、レーダー追跡の限界、意図的な攻撃かもしれないし単なる故障かもしれない)=ごまかしがきく
- 攻撃しても死者が出ない(有人なのは宇宙ステーションだけ)=ハードルが低い
- アトリビューションが取れない(誰による攻撃かわからない)=場合によってはサイバー攻撃によって衛星を乗っ取ってぶつけることもできる
Counterspace(対宇宙攻撃)の種類
- 地上からのミサイルによる攻撃(ASAT)
- 軌道上の衛星を接近・衝突させる・捕獲する(RPO)(デブリを取り除く、衛星に燃料補給をする技術はいいこともできると同時に攻撃的な意図にも使える。)→透明性が何よりも大事
- 妨害電波を発する(ジャミング)
- 誤情報を流す(スプーフィング):同じ周波数で邪魔な電波を送って違う場所に送る(ドローンが近づかないように常にプーチン大統領の周りが空港だという信号を出す)
- 目つぶしをする(ダズリング)
➡まずはSSA
➡宣言政策(Declaration policy):何を報復するかは明確ではないが、自分たちの宇宙機に手を出したら報復するぞという宣言をする
宇宙空間のルール作り
- 中露が主導するPPWT、EUが主導するICoCはほとんど動いていない
- 2020年英国主導の国連決議が成立→規範作りの提案
➡イギリスのユニラテラルなリーダシップがあったのと、各国に自慢させるような決議を書いたのが成功した理由。
- 今は各国が主張しぱなし。今年(2021年)の国連総会でさらに議論
現時点で攻撃を受けた場合どうするのか?
- 今は機能保障がメインになる
- 拒否的抑止はあるが、懲罰的抑止は考えられていない
多国籍企業に関しては?
- 多国籍企業といっても各国が打ち上げのライセンスと衛星のライセンスがあるため、企業の行動はライセンスを渡した国が責任を持つことになっている
企業間の業界ルール作りも進んでいる